【マギ】 ジャーファル、あなたのために。~亡国の姫~
第30章 ハッピーエンド
セリシアside
宴の様子はここからでも見えた。
向こうでは騒がしいくらい楽しい声も、ここではかなり抑えられてる感じだから、どこか寂しさを感じさせる。
「・・・セリシアさん。」
そんな雰囲気を少し味わってた時だった。
「その、異次空間の時の話について、少し・・・。」
ためらいがちにいうジャーファルさん。
ここにある光は満月と宴の灯りだけ。
だから顔色までは見えなかった。
でも、どこか緊張した面持ちになった気がする。
「異次空間って・・・どの話?」
話した話題が多すぎてどれかわからない。
「その・・・。最初にセリシアさんが私のところに来てくれた時の話しです。・・・最後の最後の話し・・・。」
それでようやくぴんときた。
同時に恥ずかしさがこみあげてくる。
ちょっと忘れてたよ。
そうだ、告白したんだった。
「あ、ええと、その!別に忘れてくれて構わないからね!?聞かなかったことにしても!」
それで関係がくづれちゃうなら、今のままがいい・・・って逃げ道かな?
「ええと、それなら・・・。なかったことにしてもらっても・・・いいですか?」
「うん、全然!!」
やっぱ困るもんね。
うん、わかってる。
・・・けど、やっぱりちょっときついな・・・。