【マギ】 ジャーファル、あなたのために。~亡国の姫~
第30章 ハッピーエンド
セリシアside
ジャーファルさんの手を取った私は、1メートルの壁なんてどうでもいいくらい楽に乗り越えた。
この場所にいてみんなと同じ空気を吸うのもいいけど、それよりジャーファルさんと一緒にいたいから。
「どこに行くの?」
一応聞いてみる。
でも、言わなくたってわかる。
「わかりませんか?」
笑顔でそう答える。
幸せそうに嬉しそうに笑う。
「ううん。わかるよ。」
私も私で、そんなジャーファルさんを見るのが嬉しい。
そのあとは、もう言葉なんていらなかった。
すこしずつ遠ざかるみんなの声。
少しずつ静かになる。
それでも全くの静かになることはないくらいに声はするのだけれど。
私たちは今まで感じてた疲れを忘れてか、走ることもできた。
そしてたどり着いた場所。
そこはいつもの場所。
「やっぱり、ここだよね。」
「ええ。私たちの場所は、ここな気がするんです。」
二人顔を見合わせて微笑んだ。