【マギ】 ジャーファル、あなたのために。~亡国の姫~
第30章 ハッピーエンド
セリシアside
宴はまだまだ終わらない。
とばしすぎたのか、ヤム姉はもうすでに酔いきってる。
マスルールさんに愚痴をこぼしてるのがわかる。
ピス姉はさっきから見当たらない。
大方、男性交友だろうなぁ・・・。
前にジャーファルさんが愚痴をこぼしてた。
師匠もシンドバッドさんも酔ってる。
女の人を片手にーみたいな感じ。
みんなそれぞれ楽しんでる。
「・・・あ、やば・・・。」
眠くなってきた。
辺りにはお酒のにおいが充満してる。
人の声も騒がしい並に大きい。
だけどそれが心地いいわけで。
・・・でも疲れるかな・・・。
「セリシアさん。」
後方から聞こえた声にどこか嬉しくなってしまう。
「ジャーファルさん!」
姿が見えないことに気付いて、ちょっと気をもんでたけど。
一気に眠気、疲れがふっとぶくらい、嬉しくなる。
ジャーファルさんは私のいるすぐ後ろの1メートル程の壁の上にしゃがんでいる。
というか、私たちのいる位置が下がってるんだけどね。
「ちょっと抜け出しませんか?」
そういう表情には嬉々とした、どこかいたずらっ子のようだった。
躊躇なく右手を差し出すところから、私が断らないのを知っているようだった。
もちろん、断らない。
「うん、行く!」