【マギ】 ジャーファル、あなたのために。~亡国の姫~
第29章 39
セリシアside
「ママ。さっき、本当の強さって言ったよね?」
「―――え?ああ、うん。言ったわ。―――」
本当の強さ、について思ったこと。
「別に私、わかるよ!本当の強さって、力の強さじゃないでしょ?」
するとちょっと驚いた顔をした。
でもすぐに戻って、にこやかな顔になった。
「―――なーんだ。わかってた?なら、よけい心配なくなったね。・・・それだけセリシアも成長してたんだね。―――」
すると私の頭をなでる。
「―――・・・そっか、そうだよね。・・・子どもじゃないんだね、もう。気づかないうちに大人に近づいてたんだね・・・―――」
ちょっとだけ悲しそうな顔をした。
私はその顔の意味に気付けなかったけど、ジャーファルさんは気づいたようだった。
「・・・ルナさん。セリシアさんは成長してます。だから、安心して大丈夫です。・・・私もいますから。」
どこか含みがあるように見えた。
「―――そうね。よろしくするわ。・・・さて、もうお別れしましょう。そろそろ帰らなくちゃね。みんなが心配してるわ。―――」
『さー。腕が鳴るよ!大丈夫、ちゃんと送り返すさ。』
そうだね、帰ろう。
みんなが心配してるはずだから。