【マギ】 ジャーファル、あなたのために。~亡国の姫~
第29章 39
セリシアside
「―――あら。何者なんて物騒な言い方をしないでよ。私は私。ルナ・スノーウェル。セリシアのママ。・・・って、キユノ王国で会ってるでしょう?―――」
うん、そうだよ。
まだママが生きてる頃にシロナは会ってるはずだよ。
・・・その時はどちらかと言うとママの方が疑うような感じだったけど。
『そうじゃない。…あんた、本当にルナさんなのかい?』
「どういう意味よ、シロナ。本当にママだよ。間違いないと思うけど?」
『そうじゃなくって。…まあセリシア殿が言うならそうなんだろうな。…でも、それにしては勘が良すぎやしないか。』
まだ疑うか。
と思った時だった。
「―――ごちゃごちゃうるさいぞ、雪。私が誰だろうといいだろう。―――」
「「え・・・?」」
私とジャーファルさんが同時につぶやく。
だってママの雰囲気が急に切り替わったから。
『・・・まじで?』
どこか驚くシロナ。
ママも急に雪っていうし・・・。
何、いまどうなってんの?
「―――ああ、セリシア、気にしないでいいのよ?ほらジャーファルさんも。―――」
元の笑顔で言うママ。
うーんとね、なんか怖い。