【マギ】 ジャーファル、あなたのために。~亡国の姫~
第29章 39
セリシアside
妖精ちゃん!?
それって・・・シロナのこと・・・?
でもまさか、ここにいるわけがない・・・。
そもそも、気配を感じられないですけど・・・?
『・・・何、気づいてたんだ?』
ジャーファルさんの胸元が光ったかと思えば、シロナが出てきた。
本当にいたんだ…。
何にも気づかなかった。
「え、シロナ・・・さん!?」
ジャーファルさんも知らなかったんだ。
なら、シロナは勝手についてきたってこと?
・・・デアルに憑りつく身なのに、そんなことができるんだ?
『・・・勝手についてきちゃったんだ。巫女のところへなら、何とかこれたから。』
私とジャーファルさんにそう説明する。
「―――それで気配消して隠れてたのね。私に見つかると何かやましいことでもあって?―――」
どこか試すような顔でママがシロナに言う。
『別に、そんなことはないよ。…けど、気になるね。この異次空間なら、憑りつかされてる身でも妖精は自由だ。なのに無に等しい気配を感じ取るなんて。・・・あんたいったい何者?』
反対にシロナはママをにらむ。
疑うような、険しい表情。