【マギ】 ジャーファル、あなたのために。~亡国の姫~
第29章 39
セリシアside
「―――さてさてと。話を元に戻すけど。セリシア、ついうっかりしててその話を話せてなかったけど。―――」
「その話・・・?」
えーと、どれだっけ。
「―――私の死んだこと。ジャーファルさんの言う通りだよ。私は自分の意志を持って死んだんだよ。だから、変に責任を持とうとしないで。ね?―――」
「でも・・・。」
「―――でも、じゃないよ。時が流れてるんだから。私の時にはわからなかった救出方法があるとしても、今あるのならやらなくちゃ。生きれるのを知ってて死ぬのは馬鹿だよ。―――」
「・・・。」
返す言葉がない。
冷静になった今、それは事実だと思ったからだ。
「―――セリシアが 死ななくてもいい時に自分で死を選んだら、私があなたを救おうと思ったのが馬鹿みたいじゃない。・・・あなたは生きるべきでしょ、セリシア。―――」
生きるべき、ね・・・。
「―――・・・私は、こういう身になったことを後悔してないよ。あなたが生きたって、おかしなことは一つもない。むしろ、それを願うわよ。―――」
そういうとママはジャーファルさんの方をちらっと見た。
「―――それにね。セリシアがいなくっちゃ毎日がつまらなく感じちゃう人がいるのよ。・・・ねー?―――」
ねーって・・・。
ジャーファルさん、困り顔ですけど。