【マギ】 ジャーファル、あなたのために。~亡国の姫~
第29章 39
セリシアside
「―――なーんだ。心配するまでもないじゃん。―――」
ジャーファルさんの言葉から、少し間が開いた時。
ママの声が聞こえた。
「え!?」
ジャーファルさんは驚く。
そりゃそうだ。
ここに他に人がいるなんて思わないもんね、普通。
「あのね、実はここにママがいるんだ。ここは現実とは違う空間だからか、いるんだよ。」
「そ、そうなんです・・・か?」
ママは次第に形を持ち始める。
やっぱり最初は光。
でもさっきよりは早く形になった。
「―――初めまして、だよね。私はルナ・スノーウェル。セリシアのママです!―――」
「あ、初めまして。シンドリア国の政務官をしています、ジャーファルです。」
驚いてもちゃんとその辺はしっかりするんだ?
話が早めで助かる。
「―――それにしても、あんまり驚かないんだね?―――」
「まあ、違う空間なら、何があっても言えませんからね。迷宮と同じですよ、そのあたりは。」
ああ、そうか。
迷宮は行ったことないけど、聞くところ変なことしかないそうで・・・。