【マギ】 ジャーファル、あなたのために。~亡国の姫~
第29章 39
セリシアside
「なん、で・・・。」
しぼりだしたのはそれ。
訳がわからなかった。
「だから、迎えに来たんです。」
迎えって、これのことか。
ママが言ってたのは、これだったんだ?
「ちょ、ちょっと待って!なんでジャーファルさんがここにいるの?っていうか、どこから来たの!?」
ゲートを開けるのは誰もいない。
そもそもゲートすらない。
「セリシアさんのおかげで、私は元の世界に、時空に戻りました。でも、あなたを連れ戻すために、デアルさんやシロナさんが手伝って、迎えに来たんです。」
ていねいに言うけど。
そうじゃなくって。
「何・・・言ってんの。帰れるわけないじゃん。道がないんだよ。どうやってきたの。これじゃあ、あなたを助けた意味が無くなっちゃうじゃん!?」
どうして、帰ってきたの。
私は死ぬ覚悟はしてたんだよ。
「落ち着いて。私の眼を冷静に見て。」
ジャーファルさんが少しかがむ。
目線を同じにする。
「デアルさんの呪術です。ここまで案内してもらいました。連れて帰れるはずです。」
デアルが?
どういう・・・こと?