【マギ】 ジャーファル、あなたのために。~亡国の姫~
第29章 39
セリシアside
「セリシアさん。」
なつかしい声が聞こえる。
嘘だ。
いるわけがない。
幻聴でも聞こえた?
「セリシアさん。」
ありえない。
そう思って後ろを振り向く。
「お迎えに上がりましたよ、セリシアさん。」
静かにたたずむ彼。
どうやってここまで来たの。
こんな、次元も違うのに。
「ジャーファルさん・・・。」
呆然としてしまう。
どうして、ジャーファルさんがここにいるの。
確かにあっちの世界に還したはず。
確証はないけれど・・・。
さっきは確かにいなかった。
「帰りましょう?ね・・・。」
夢?
幻覚?
そう思うけれど、ジャーファルさんは私の手を取って握る。
夢じゃないし、幻覚じゃない。
亡霊?
まさか。
彼は、生きてる。