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【マギ】 ジャーファル、あなたのために。~亡国の姫~

第29章 39


セリシアside


「―――アルマトランの世界でヘンデルは妖精を作ったの。彼女の力をもってすれば、妖精の一体や二体、楽勝だった。妖精を作ったのは、単に友達が欲しかったからのようね。―――」

ママはさらりと私の疑問をスルーして話す。
っていうか、ヘンデルさんとやら、友達欲しさに妖精作ったんだ…!?

「―――まあ、巨大な力のはけ口ともされたようだけど。・・・まあそれで、火の妖精、水の妖精、日の妖精、雪の妖精、地の妖精・・・。ともかくたくさん作ったのよ。でも、その世界が終わるとともに、妖精は死んだわ。むしろ、ヘンデルが記憶をもってこの世界に来たことの方がおかしいのだけれどね。―――」

そうは言うけど、妖精って・・・。

「―――不思議なものね。アルマトランでは一番反抗的だったと思われる雪の妖精が慕ってこっちの世界に来たのよ。妖精はたった一人、雪の妖精だけ。みな向こうの世界で死んでしまったから。―――」

シロナのことだよね、雪の妖精って。
反抗的だったんだ・・・?

「―――・・・ま、そんなとこかしら?知ってても知らなくても正直どうでもいい気がするのだけどね。―――」

「じゃあなんで教えたの!?」

どうでもいいんかいと突っ込む。
いや、だって・・・え?

「―――えー?だって、知っててほしいって思ったから。何でかな。わかんないけどさ。それに、セリシアはいつか知っていたらそういう友達ができるはずだから。・・・って、予感だけどね。―――」

予感って・・・。
あきれるよ、ママ・・・。
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