【マギ】 ジャーファル、あなたのために。~亡国の姫~
第28章 助けたい想い
ジャーファルside
だから私はできるだけ優しくその手を包む。
「大丈夫です。私がやりますよ。」
セリシアさんに助けてもらったこの命。
彼女のためになげうつのは、当然でしょう?
「っ!・・・ありがとうございます。」
『引き受けてくれる気はしてたよ。』
「・・・でも、どうして私なのでしょう?」
少し気になったところだ。
もちろん不服があるわけではないけれど。
「セリシアの魂のそばに行けば、セリシアに会えるはずです。それなら、一番行くべきなのはあなた・・・。そう思ったんです。」
セリシアさんに会えるかもしれない。
それは嬉しすぎる話だった。
「あなたなら、セリシアを任せられる気がした。それに、あなたが一番信頼できるような気もするんですよ・・・。」
はにかむような笑った顔。
あ、なんかセリシアさんに似てるかもしれない・・・。
「あとの手順は簡単です。シロナ、俺にありったけの力を注げ。あとは呪術で案内する。周りの皆さんは、少し離れていてください。」
指示をする。
一刻も早く、彼女のもとへ行きたい。
聞きたいことはたくさんありますから。
「ジャーファルさん。アイツを、お願いします。こっちの体は、絶対安全な状態にしますから。」
『・・・。』
デアルさんは真剣に言葉を言った。
シロナさんは、どこか考えるような顔をしていたように見えた。