【マギ】 ジャーファル、あなたのために。~亡国の姫~
第28章 助けたい想い
ジャーファルside
『だよねっ!さぁて。教えてよ~。』
デアルさんが覚悟を決めてくれたおかげで、部屋の空気もいくらか和らいだ。
「ああ。もちろんだ。…ただ一つ。・・・ジャーファルさん。」
不意に呼ばれて驚く。
真剣な顔つきでこっちを見ている。
「はい、なんでしょう?」
何を言われるかも予想ができず、疑問が浮かぶ。
「さっきは、ありがとうございます。何を悩んだのか、馬鹿みたいです。」
「いえ、そんなこと。覚悟を決めてくれたようですし・・・。」
「まあ・・・。それで、一つお願いがあるんですけど・・・。頼めますか。誰か一人、一番大切な役を頼まなければならないんです。あなたにお願いしたい。」
そんなことを言われるとは思っていなかった。
でもデアルさんの眼は真剣そのもので。
「まずは、俺の話を聞いてください。そのあとで決めてくれたの方が、いいです。」
頷かないわけがなかった。
セリシアさんを助ける為なら、どんな努力も惜しむつもりはないし、力になりたい。
そんな気持ちをくみ取ったのか、デアルさんは話を始めた。