【マギ】 ジャーファル、あなたのために。~亡国の姫~
第28章 助けたい想い
ジャーファルside
「おいシロナ。お前、セリシアを連れ戻す方法、知らないか・・・!?」
「何か、知りませんか・・・?」
緊張した空間。
そうと知ってか知らずか、シロナさんはゆっくりセリシアさんの顔のすぐそばに降り立つ。
『・・・うん、セリシアを救いたい気持ちは嫌なほどわかるよ。伝わってくるから。』
目を伏せがちにいう妖精。
その口ぶりは、あまり期待できそうではなかった。
『・・・でも、ごめんね。我はそこまで万能じゃないところがあるんだ。全員無事のハッピーエンドは無理かな、やっぱ。』
あきらめの声で答えるシロナさん。
そんな気は、してしまっていましたよ・・・。
それで会話は終わると思っていた。
だけど、そうではなくて。
『・・・だけどデアル。お前の持つ力、体質、その辺すべてを使えば・・・無理じゃない。』
どこか苦しそうに言う。
でも、セリシアさんを助けられる・・・と言うことなのでしょうか・・・?
『・・・デアル、本当はわかってんだろ?やり方だけは。力ならまだ有り余ってる。・・・お前だけの力じゃ使えないやり方だけど、我が力を貸してやるから。そうすりゃ、できんだろ・・・?』
どういうことでしょう?
ええと…実験の仕方はわかるけど、材料がないから実験できない・・・みたいなことなのでしょうか・・・?