【マギ】 ジャーファル、あなたのために。~亡国の姫~
第28章 助けたい想い
ジャーファルside
「・・・デアルさんは、セリシアさんの魂をここに戻す方法を・・・知っていますか?」
首を横に振るデアルさん。
なんとなく、そんな気はしていた。
知っていたらなぜ実行しないのか、となってしまうのだ。
「・・・シロナさんは。いないのですか?」
ひとつだけ、同時に思い出したことがあった。
セリシアさんが言った言葉。
デアルさんかシロナさんに聞けといった言葉。
デアルさんは人間だから、限界がある。
けれど、もし妖精のシロナさんであれば。
何か策があるかもしれない。
そう思ってしまった。
「・・・シロナ。」
忘れていたのだろう。
はっとしたのか顔を上げた。
「ここに来る前に、戻ってきたんだった・・・。」
さっき言っていたことの中には、ここに来た理由もあった。
シロナさんが自分の中からいなくなったのがわかり、不吉な予感がしたらしい。
それで来たそうだが・・・。
「っシロナ!!出てこい!」
切羽詰まった声で妖精の名を呼ぶ。
『・・・うん、大丈夫。前に使ったから、今回はそれほどつらくないや。』
少しの間をおいて、出てきた。
今回の姿は小さな人形サイズの女の子ですか・・・。