【マギ】 ジャーファル、あなたのために。~亡国の姫~
第28章 助けたい想い
ジャーファルside
デアルさんは、いくらか落ちついてから話し始めた。
その話を簡潔にまとめてしまうのなら、こうだ。
・セリシアさんの手紙には自分がやったこと、それについての考えがあった。
・そして、デアルさんへの頼みが書いてあった。
・セリシアさんは、リ・ボーン・ゲートを開いたことにより、魂を体と分けてしまったらしい。
・だから彼女の魂が元に戻ってこなければ、彼女は死ぬ。
ということだ。
つまり、言い換えるのであれば。
「私と、立場を交換したようなものなんですね?」
セリシアさんいわく、そういう話だったはずだ。
「・・・。」
デアルさんは黙る。
つまり、肯定ということですね。
「本当に、申し訳ありません。」
それしか言うことができなかった。
「・・・別にいいです。もとは兄弟、俺らのせいです。・・・だけど。やっぱ・・・。なんか悔しくて。」
デアルさんの肩が震えていた。
それが怒りからなのか、泣いているからなのか、わからなかった。