【マギ】 ジャーファル、あなたのために。~亡国の姫~
第28章 助けたい想い
ジャーファルside
「セリシア・・・!」
手紙を読み終えたのか、デアルさんが部屋に入ってくる。
今は八人将、王、セリシアさんとセリシアさんの部屋だ。
彼女はベッドの上にいる。
まだ、目を覚まさない。
「どうしたんです、デアルさん・・・。」
何か、あったのだろうか?
手紙に、何か書かれていたのかな。
「馬鹿が・・・!」
泣いている・・・?
「デアル、何かあったのか?」
シンが勇敢にも聞く。
デアルさんはセリシアさんのすぐそばについた。
「・・・こいつ、馬鹿です。・・・こいつ、死ぬかもしれない。」
それだけ吐き捨てるように言った。
いや、あれは吐き捨てるというよりも。
あれ以上しゃべれば泣いてしまうから、こらえたのでしょう。
「どういうことだ?」
シンも八人将も驚きのあまりか声が出ない。
だけど、私は驚かなかった。
そんな気がしていたのだ。
あの扉の前で押された時から。