【マギ】 ジャーファル、あなたのために。~亡国の姫~
第28章 助けたい想い
ジャーファルside
ようやく部屋の光が収まる。
そうして部屋に戻る。
セリシアさんはどうなったのだろう。
いい方にころんでくれるといいのだけれど。
「セリシアさん・・・!!」
すぐそばに駆け寄る。
顔色がよくなったように見えるけれど、どうなのだろう?
「ヤムライハ・・・!」
息を吸わずに行ったためか、最後の方が小さくなった。
でも、そんなことはどうだっていいのです、どうだって。
「・・・大ジョブです・・・。魔力、元に戻りました!!!」
眼に涙をためて答えるヤムライハ。
その声に、その場にいた全員がほっと息を吐く。
「よかった・・・!」
セリシアさんを抱きしめる。
けれどその体は、温かみがまるでなかった。
冷たいわけではないのだけれど、なんというか・・・。
ぐったりとしていて、意識は元に戻っていない。
「セリシアさん・・・?」
起きてくれればいいのに。
何事もなかったかのように、目覚めてくれればどれだけいいことか。
けれども、セリシアさんは変わらず目覚めなかった。