【マギ】 ジャーファル、あなたのために。~亡国の姫~
第27章 異次空間
セリシアside
「―――え。・・・っとね・・・。思念体だよ。願いは思念体として、あなたと一体化したの。けれど、この異次空間にきたから私は元の姿をそれなりに集められたのよ。―――」
えーと、あるていどはわかった気がする。
けど、なんか実感がわかない・・・。
そりゃそうか。
「―――わかりやすく言い換えれば、元は私のルフだったものが、ここにきて私のもとの意志を取り戻したの。―――」
ふうん・・・。
「なんか、わかったようなわかんないような微妙な気分。」
でもわかったことにしてしまおう。
うん。
「―――・・・ねえ、セリシア。聞きたいことがあるんだけど、いいかな。―――」
「え?うん、答えられることなら、いいよ。」
「―――・・・デアルは・・・。元気?―――」
デアル?
特にこれと言った変化とかはないと思うけど・・・。
「ここ数日は会ってないけど、最後に会った時は元気だったよ?」
「―――そう!よかった。あの子は、弱みを見せれるほど信頼できる子がいないと思うの。血縁者はもうあなただけ。でも妹だからって変なプライド持ってると思う。・・・あの子に伝えて。ママはデアルのこともちゃんと見守ってるって。―――」
伝えてって・・・。
「無理だよ。私、もう生きて帰れないんだし・・・。」
もう、帰る道がないから・・・。
「―――大丈夫だよ。あなたは恵まれてる。安心してなさいな。すぐに迎えが来る。―――」
迎え?