【マギ】 ジャーファル、あなたのために。~亡国の姫~
第27章 異次空間
セリシアside
「ねえ、ママ。気になったこと、聞いてもいい。」
「―――んー?いいよいいよ。答えれるかはわからないけどね。―――」
気になったこと。
それは、巫女姫とやらが言っていたこと。
「巫女姫と私が会うのを妨害しようとしたのって、ママ?」
巫女姫と会えていなければ、私はもっと無知に近い状態のままだっただろうから。
どうして邪魔をしようとしたのか知りたかった。
「―――うん・・・。ママだよ。セリシアは知らないかもだけど、ゲートを開くとね。巫女が死ぬ前に一つだけ、入れ替わった相手に願いをかけられるんだ。―――」
願い?
この場合、ママが私に願いをかけたってことだよね。
「―――んーと、つまり。私がセリシアに力の存在を知らせたくないって思いが願いになっちゃったのよ。力の存在を知れば、やがては私の死の真相に近づく。そしたら、絶対あなたは自分を責めるだろうなあって。―――」
そういうことだったんだ。
でも、それはなんか、違う気がする・・・。
「―――ああ、うん。おかしいってことには気づいてるわ。ただ、もう死んでるから、願いを変えられないのよね。―――」
そ、そうなんだ?
・・・あれ。
「ママ、そういえばどうしてここにいるの?だって、死んじゃったら、ここにもいられないはずなのに。」