【マギ】 ジャーファル、あなたのために。~亡国の姫~
第27章 異次空間
セリシアside
「―――そうねぇ。何から話そう?何から聞きたい?―――」
「なんでも、いいけど・・・。」
私だって、知りたいことはたくさんある。
けどどれから聞くべきかなんてわかんないよ。
「―――そうねー。じゃあ・・・。私がセリシアの巫女の力を封印した理由。そこから話すわ。―――」
言いながら、手を止めず髪をとかしていく。
温かさはないのだけれど、それではない気持ち良さがあった。
「―――理由は2つ。1つは、あなたの巫女の力は大きすぎるから。幼少期、すぐに体の調子を壊すのはそのためだったの。ゲートを開けば頑丈になることはわかってたけど、それでも足りるかわからなかったから。―――」
確かに、幼少期は体を壊してばっかだった。
だから、剣術も満足にはやれてないこともあった。
「―――2つ目は、あなたに巫女の力を抑えられるかわからなかったから。あなたには妖精ちゃんもいたから、いっそ怖かったの。巫女の力は、時として周りを不幸にすることがある。だから、まだ幼いあなたを一人にするのは、ためらったわ。巫女の力をわかってるのは私しかいなかったから。―――」
妖精ちゃんってのはシロナのことだ。
国を滅ぼそうともしたから、あんまりいい目では見られてなかったんだよね。
「―――だから力を封印した。なくすことは無理だったけれど、せめて今より大人になってからならって思って。その時期が予想以上に早くてちょっと驚いたけど、そんなものよね。―――」