【マギ】 ジャーファル、あなたのために。~亡国の姫~
第27章 異次空間
セリシアside
「―――・・・。セリシア、髪をとかしてあげる。―――」
「え。くしもないのに?」
「―――ママを誰だと思ってるの?異次空間の中での出来事なら、結構できるのよ?―――」
私は背中をママに向ける。
・・・あれ。
けど、ママはルフの集まりだよ。
触れるの?
「―――こんな体だけど、触れることなら、できるわ。大丈夫。―――」
何が大丈夫なんだろう?
なんて考えたけど、どうでもいいかと開きなおる。
ママにこんなことされるの、何年振りだろう?
覚えてないけど、大分前のはずだ。
髪をふれるママの手は、人特有の温かさがなかった。
やっぱり、死んでるってことかな。
「―――ごめんね。何にも教えてあげなくて。―――」
急に謝るけど、教えるって・・・巫女のこと?
「―――でも、もうセリシアも無知じゃだめなんだよね。だから、教えてあげる。―――」
「それは・・・巫女の力のこと?それなら、もうわかってるよ。」
封印が解けたから、体を巡る血によってわかっている。
だけど、そうじゃなかった。
「―――巫女の力だけじゃなくて、巫女にかかわることすべて。私がわかる分は、全部教えてあげる。―――」