【マギ】 ジャーファル、あなたのために。~亡国の姫~
第27章 異次空間
セリシアside
「そんな、まさか。」
でも口に出したところで、誰にも肯定も否定もされない。
でも、まさか。
来たことがある?
・・・何考えてんだろ?
そんなこと、あるわけないじゃん?
第一、もし来てたらどうやって帰ったんだよ?
だって、巫女のこの力を使えるのは今はもう私ただ一人・・・。
・・・今は?
「お母さん・・・。」
事実に気が付いた気分だ。
体を起こす。
そうだ、お母さんだったらできる。
・・・だとしたら?
私は、来たことがあるんだ?
でも、そしたらお母さんはどうやって帰ったんだろう?
だって、お母さんの死因は、魔力切れ・・・で・・・。
「・・・まさか。」
魔力切れ。
それしか伝えられなかったけれど。
もしもそれの本当の理由は巫女の力を使った代償・・・?
まって、ちょっと待って。
先に進みたい衝動を抑えながら考える。
そういえば、なんでお母さんの魔力が切れたのかを知らない。
誰も教えてくれなかった。
・・・うそでしょ?
じゃあ、お母さんが死んだのって・・・。
「私のせいなんだ・・・?」