【マギ】 ジャーファル、あなたのために。~亡国の姫~
第27章 異次空間
セリシアside
「―――セリシアのせいじゃないよ―――」
突然聞こえてきた声に焦る。
別に焦らなくてもいいのにね。
でも、さっきまで誰もいなかったんだ。
急に聞こえた声には驚く。
勢いよく声のした後ろを振り向く…けど。
「え・・・。」
そこに人はいない。
代わりと言うか、なんというかで、そこには淡い光の集合体があった。
それは姿と言う姿をもって田舎ったけど、だんだんと人の形を持ち始める。
「―――あら、忘れちゃったの?ひどいなあ。―――」
妙に明るいトーン。
この場の空気とは場違いに思えるほど。
「・・・っ!お母・・・さん?」
「―――そうにきまってるじゃない。あと、ママって呼んでくれた方がうれしい。―――」
ああ、うん。
お母さんだ。
何でかはわからないけど、お母さんよりママの方が呼ばれたいんだって。
「―――だって、ママの方が若い感じがしない?―――」
見透かしたかのように答える。
まあ実際旅に出るまではママって呼んでたしね。