【マギ】 ジャーファル、あなたのために。~亡国の姫~
第26章 手紙
ジャーファルside
「っ・・!」
走ってセリシアさんのもとにたどり着く。
あいかわらず魔力を受け付けないのか、さっきよりひどくなってるように見えた。
「ジャーファルさん・・・。」
泣きじゃくるヤムライハとピスティ。
その場には八人将もシンもいた。
誰も手を出せずに、魔導師だけが必死になっている。
「もう・・・だめかもしれない・・・。」
シンがそう言った。
そんなの・・・信じたくない。
奇跡が起こればいいのに。
急に魔力が増えればいいのに。
私が泣いては、下の者たちにしめしがつかない。
そう思ったのに、涙はとめどなくあふれてしまう。
「・・・何もできなくて、ごめんな。」
なぜシンが謝る・・・。
シンは頭に手を置いて、そう言った。
「・・・あなたが謝る必要はないでしょう?・・・私のせいですから・・・。」
セリシアさん・・・。
―――――魔力が自分含めて周りも暴走―――――
・・・あれ。
今、何を思い出した?