【マギ】 ジャーファル、あなたのために。~亡国の姫~
第26章 手紙
ジャーファルside
「ふう・・・。」
最後の案件が終わる。
けれど、何か特別なものが出てきてはいない。
やっぱり、ただセリシアさんは確認させたかったのでしょうか?
そんなこと、わからない。
時計を見ると、セリシアさんが倒れてから30分と経っていなかった。
まあ、案件はもともとそう多くはなかったし、こんなものか・・・。
「はあ・・・。」
セリシアさん。
どうして私を助けようとしたのだろう?
彼女が責任を持つ必要はないんだ。
私が返り血を勝手に浴びてしまっただけなのに。
助ける方法はないのでしょうか?
最後の案件を積み上げる・・・と。
「え?」
その下から現れたのは一枚の紙。
そこに書かれているのは・・・。
―――――ありがとう。好きでした。セリシア。―――――
ただ一行。
でもその一行が不意な一撃で。
「セリシアさん・・・。」
なんで、彼女が死ななければならない?
救う手だてがないなんて、信じない・・・!
セリシアさんのところへ行かなくては。
部屋を飛び出した。