【マギ】 ジャーファル、あなたのために。~亡国の姫~
第26章 手紙
セリシアの手紙から・・・。
「シンドリアの皆さん。言葉で伝えることができるっていう自信がなかったし、時間もないから手紙で書きます。先に言うと、文にも自信はありません。
私達兄妹がウィリランデの国王を殺した時、その返り血がジャーファルさんに飛んでしまったから。だからジャーファルさんは倒れました。あの血は、呪術の効果を持っていたのです。呪術については、前にデアルが少しお話したと思います・・・。それで、ジャーファルさんは呪いによって魂を隔離されてしまったのです。
その呪いを解く方法なんてしらなくて、助ける方法がないって思ったけれど、一つだけ方法があったからそれを使うことにしました。私の巫女の力です。巫女の力はここ最近まで両親にかけられた術によってほぼ意味がありませんでしたが、最近その術が解けたので、巫女の力がちゃんとわかるようになったのです。
私が今回ジャーファルさんを助けるために使った巫女の力は、リ・ボーン・ゲートと呼ばれるものです。
それは、死にかけてるけどまだ死んでいない人を救うための巫女の力です。それは、その人を助ける代わりに代償として巫女を死にかけさせる術です。だから私は多分死ぬでしょう。それでも、ジャーファルさんをああさせたのは私のせいです。
ジャーファルさんがちゃんと生き返る保証はどこにもありません。過去の巫女の時は全部成功しているようですけど、本当どうなるか・・・。
だから、もしジャーファルさんが帰ってこなかったときは、本当にごめんなさい。私にもわかってることは少ないから。だから、どうしようもないんです。
ああ、でもたぶん、帰ってきたらジャーファルさんは時間の感覚が曖昧かも。隔離される世界の時間間隔は変らしいから。」