【マギ】 ジャーファル、あなたのために。~亡国の姫~
第25章 バッドエンド?
ジャーファルside
「セリシア・・・さん・・・。」
部屋に描かれた魔法陣の中心にいるセリシアさん。
血だらけの姿で、遠目では生きてるかすらわからない。
「ジャーファル、近づくな。」
気づかぬうちに足が出ていたらしい。
休まず魔法を交代で唱え続ける魔導師。
魔力を補給しようと必死なのだろう。
「・・・ヤムライハ、この状況をジャーファルに。」
そばで休むヤムライハにシンが問う。
ヤムライハも魔力をだいぶ使ったのだろう。
軽く息切れを起こしている。
「ここに運ばれてきたときと変わりません・・・。魔力切れで、必死になって送る私たちの魔力も受け付けていません・・・。」
最後の方は泣いて伝える。
魔力切れなのに受け付けないなんて・・・。
「そんな・・・。」
カサ…。
なにか紙がこすれるような音がして、その方向を見る。
「シン?何を持ってるのですか・・・?」
シンがもっているのは封筒だった。
暗い中の魔法の光だけのこの部屋では、形しかわからない。
「・・・。魔導師諸君。君たちはこのまま交代で魔力の補給を続けてくれ。」
その場のものに告げる。
「ヤムライハ、お前は俺たちと共に俺の部屋に行くぞ。八人将の招集だ。」