【マギ】 ジャーファル、あなたのために。~亡国の姫~
第25章 バッドエンド?
ジャーファルside
「ジャーファル、戻れ!」
部屋を飛び出したところでシンに呼び止められる。
「シン・・・。」
「お前の気持ちは大体わかる。だが一回部屋に戻れ。…命令だ。」
嫌だ、そう思った。
セリシアさんが倒れたのは私のせいなのに。
私がやすやすといていいはずがない。
だけど。
「・・・っ・・・。わかりました・・・。」
王であるシンに逆らうことはできない。
セリシアさんのところへ向かいたい。
だけど、その道をふさぐようにシンは立っているし、セリシアさんがどの部屋に運ばれたかも把握していない。
なんとなく予想はつくが、おそらく行かせてはくれないだろう。
しぶしぶながら、部屋に戻る。
「・・・少し落ち着け。水を飲みなさい。」
差し出された水を一気に飲む。
わかっているはずなのに、気持ちは急いでしまう。
「ほら、座れ。」
強制的にベッドに座らせるシン。
私の隣に、そのままシンは座る。
「セリシアの容体、教えてやるからとりあえず落ち着くんだ。ほら、深呼吸しなさい。」