【マギ】 ジャーファル、あなたのために。~亡国の姫~
第23章 堕天直前
セリシアside
「セリシア・・・。」
部屋に行くと、ヤム姉に早速気づかれた。
「大丈夫なの?この部屋に来て・・・。」
「うん、大丈夫。安心してよ。倒れないし過呼吸にもならないから。」
さっきは過剰に反応しちゃったからってだけで、落ち着いた今は大丈夫なはずだから。
話は早々に切り上げて、ベッドに近づく。
ジャーファルさんの周りにはシンドバッドさんをはじめ、いろんな人がいた。
だけど、降り立つ沈黙は心苦しいものだった。
いやな予感しかしなかった。
「・・・ヤム姉。ジャーファルさんの容態は、どんな感じなの・・・?」
きかなきゃいいのにね。
私は馬鹿だから聞いちゃったんだ。
「・・・意識が戻らないの。外傷はないのよ。脳にも何にもない・・・。・・・わからないの。なにが起こってるか、わからないのよ・・・。」
容態はおろか、倒れた理由もわからないなんて・・・。
状況は最悪ってことかな・・・?
・・・そんなこと、あり?
人生やり直して賢明に生きた人が、わけもわからず死んでいくの?
そんなおわり?
これがその人の運命だとでもいうの?
そして大切な人を失う私の運命・・・?