【マギ】 ジャーファル、あなたのために。~亡国の姫~
第23章 堕天直前
セリシアside
そんな運命なら…いらないよ…!!
「セリシア…!?」
シンドバッドさんの悲痛な声が聞こえた。
なんでそんな声だしたのかはわからないけど…。
…あれ。
声でようやく気付いたけど、シンドバッドさんの姿がよく見えない。
周りが黒い何かで覆われている…。
「セリシア、落ち着いて!!堕天しないで!」
ヤム姉の叫びに近い声が聞こえた。
堕天って…。
ああ、アルサーメンのあれか…。
堕天ってこういう感じなんだ。
自分でも驚くほど冷静でいられた。
でも、ね。
運命を恨むななんて…無理だよ…?
―――――悲しく辛い運命をあたえてしまった…。―――――
運命。
そうだ、そんなこと言われたっけ。
…それがこんな運命なの…?
これが私にあたえられた運命…?
なんで…?
なんでそんな運命あたえられなきゃいけないの!?
それなら…堕天してやるよ…。
黒い力で何か変わるなら。
喜んで堕天してあげる!!