【マギ】 ジャーファル、あなたのために。~亡国の姫~
第23章 堕天直前
セリシアside
「うん、もう大丈夫・・・。ごめんね、ピス姉。」
「いいのいいの。それで?大丈夫なんだよね?」
「うん。」
ようやくちゃんと落ち着いた…と思う。
「・・・ジャーファルさんのところに行こう、ピス姉。」
倒れてからまだ一度も様子を見に行ってない。
何の知らせもないし、目覚めてないかもだけど・・・。
「行こうって・・・。まだやめといたほうがいいんじゃない?」
「ううん。今行かなきゃ、いつ行ったって一緒だよ、多分。」
早々に察してくれたのか、観念してくれたのか。
ピス姉は苦い顔をしながらもしぶしぶ頷く。
手を握ってくれた。
どうやら一緒に行ってくれるみたい。
・・・優しいよね、ピス姉・・・。
「つらくなったらすぐ言ってね?無理しないでね?」
「うん、大丈夫。頑張るから。」
心配してくれてるってわかる。
人に心配されるのは嬉しい。
自分のことを思ってもらえてるってわかるから。
もっとも、心配のかけ過ぎはだめだけどね。