【マギ】 ジャーファル、あなたのために。~亡国の姫~
第23章 堕天直前
セリシアside
「セリシア、落ち着いて。ゆっくり息を吐いて。ゆっくり吸って。」
「落ち着いて落ちついて。セリシアが落ち着かなくっちゃ。」
ジャーファルさんが倒れて、人を呼んで、現在ジャーファルさんは医務室。
魔導師から医者、大勢の人が入っては出てくる。
だけど、いい知らせはないようだった。
「今は自分のことを考えて、ね?」
苦しい。
息がしづらくてこのざまだ。
何度も背中をピス姉にさすられ、ヤム姉には声をかけられている。
そのせいか、いくらか楽にはなった。
「はぁっ、はぁっ・・・!!」
「よーし、よし。落ち着いてきたね。」
「心配したわよ。突然過呼吸になっちゃったんだから。」
ジャーファルさんが目の前で倒れたこと、反応がなかったこと、いい知らせがなかったこと。
それらに反応しちゃって、過呼吸を起こしてた。
「ご、めんっ・・・。も、だいじょ、ぶ、だから・・・。」
私が迷惑をかけていい時じゃない。
みんな、ジャーファルさんを心配してる。
そんなときに、私がこうなっていいわけない。
「落ち着いて、ね?私はここにいるから。」
「セリシア・・・。ピスティ、セリシアをよろしくね。もう一回ジャーファルさんのところに行ってくるから。」
「うん。」
ジャーファルさん・・・。