【マギ】 ジャーファル、あなたのために。~亡国の姫~
第22章 勝利
セリシアside
「そんなことはさせません。」
即答だった。
「え、でも・・・。」
「そんなこと言ったら、見守っていた私はどういう立場なんでしょう?」
それは・・・。
反論はできないかな・・・。
「まあ、シンに言われてしまえば話は別ですけど・・・。少なくとも、そうならないようにうまくやって見せますよ。」
「お願いします・・・。」
私にはそれしか言うことはない。
だって、結局私ができることは少ないのだから・・・。
「それに。・・・あなたには、この国にずっといてもらいたいんです。これは私の勝手な話ですけど・・・。前にシンに言ったそうですね。利用されたくない、と。」
あ、その話、やっぱり知ってるんだね。
まあ、ジャーファルさんの前でも泣いちゃったしね・・・。
「利用とかそんなのは全く関係なくて。ただ、いてくれると嬉しいんです。」
・・・この人は。
「どんだけ嬉しいことを言ってくれるんです・・・?」
そんな言葉、ジャーファルさんに言われると、すっごい嬉しい。
「私は自分から離れる気はないですよ。この国からもですけど、ジャーファルさんのそばにいたいですもん。」
好きって、気づいてほしいもん・・・。