【マギ】 ジャーファル、あなたのために。~亡国の姫~
第6章 うっそー!?
セリシアside
うー、食べたあ…。
だけど、なんでかわかんないけど、体が上手く動かない。
・・・いや、動くには動くんだけど、そうじゃなくて。
「そろそろ行きますか??」
「お願いします。」
かなり恥ずかしいけど、抱き上げるようにして立たせてくれるジャーファルさん。
その時、彼の髪がふれた。
くすぐったいけど、なんか心地いいなあ…。
足が地面に着くと、さっきよりは地面の感覚がある。
ちゃんと一人で立ってられるようだし。
「ああそうだ。セリシア、部屋を変えてもらっといた。」
「え??」
「食客なんだ、今までの部屋じゃ狭いだろう。これからずっといるんだから。」
ずっと・・・。
そうだね、確かに。
「とりあえず部屋に行ってみるのがいい。ジャーファル。」
「はい。」
すると、ジャーファルさんは一度こっちを見て、大丈夫かという視線を訴える。
大丈夫、と笑ってみせると、シンドバット王のもとに行った。
でも、すぐに戻ってきた。
「じゃあ、行きましょうか。」
「場所、分かるんですか??」
「今聞いてきましたから。」
あ、そうですか。
一応、私の体は歩いているんだけどジャーファルさんが支えてくれた。
よろよろだしね。
「あ、そうだ。セリシア、風呂には入れそうか??」
風呂・・・。
そう言えば、あの後寝たから、汗臭い・・・。
「多分、入れます。」
「じゃあ、ジャーファル、部屋に一回行ったら、風呂場に連れて行ってやれ。替えの服は女官に用意させておくから。」
「わかりました。」
とりあえず、私に与えられた部屋に行くことにした。