【マギ】 ジャーファル、あなたのために。~亡国の姫~
第21章 戦争終了まで
セリシアside
「・・・終わったね。」
デアルはうなずく。
ついに、おわったのだ。
確かめなくても、このウィリランデの王はこと切れている。
「お疲れ様でした・・・。」
私とデアルを交互に見て言うジャーファルさん。
その顔は、よくできた、とほめていた。
「・・・うん、終わった。お疲れ様。」
「お疲れ。」
無駄な音の一切ない船の中。
その言葉すら途切れると、何もなくなる。
そして部屋の中から抜け、外に出た。
「ん・・・。」
波の音がする。
周りには、人がたくさん倒れてる。
でも、よくよく見ればほとんどがすやすや寝てた・・・。
デアルは睡眠魔法で戦ってたのか・・・。
ってことは、気絶させちゃってるのって私だけ?
え、でもデアルだって氷とか使ってたし…!!
「・・・別に、催眠魔法だけじゃねえから、お前だけじゃねえよ?」
心読まれた・・・。
「むー・・・。いいし、血はこの船で一回も流させてないもん。」
せいぜいけがですんでるだろうよ。