【マギ】 ジャーファル、あなたのために。~亡国の姫~
第21章 戦争終了まで
セリシアside
「え…、戻った?」
「はい。復讐復讐って・・・。自分を見失ってましたよ。」
「そんなこと…。」
「ありますよ。自分自身ではわからないんです、こういうことは。・・・デアルさん、あなたは気づいてたでしょう?」
はあ!?
自分自身じゃわからないって、それは何とも言えないけれども。
なに、デアルは気づいてたっていうの!?
「・・・ごめん、セリシア。最初っから気づいてた。だけど・・・ちょっと利用させてもらった。ホント、ごめん。」
すまなそうに言うけど。
じゃあ、利用されてたってことだよね?
え、まじですか!?
「まあ、復讐にとらわれると少し強くなる人っていますからね・・・。セリシアさんの場合はとらわれすぎですけど。」
なああ!!
「そんなの、ありですか!?」
「まあ、ありですねぇ・・・。でも、こうして元に戻ってくれてよかった。」
よかったって・・・。
「まあそれはわかりますけど・・・。でもジャーファルさん、当然キスされちゃびびりますよ。好きでもない人にそういうことをするのはやめてください。」
「え・・・?」
それだけは言う。
だって、誤解しちゃうじゃんか。
そんなわけないのに、期待しちゃうじゃんか。