【マギ】 ジャーファル、あなたのために。~亡国の姫~
第21章 戦争終了まで
セリシアside
「私たちはわけありですけど、元は王族です。」
あくまで冷静にことを進める。
さっき爆発しちゃったおかげか、ものすごい冷静にいられた。
「キユノ王国第一王子デアル・スノーウェル・・・。知りません?」
「キユノ王国…だと??それはたしか、国から民まで、全員死んだはずじゃあ…。」
「あれ、いがい。キユノ国のこと、覚えてるだ。」
忘れてるかと思ってた。
王子、姫のことを知らないようだったから・・・。
「あの国だけ、僕の持ち物になってないんだよ。土地ごと爆破して消えたからな。」
土地ごと。
国をなくすって、土地もだったんだ・・・。
そこまではしないと思ってた。
「・・・あんたにききたいことがある。答えてもらいますよ。」
「は!?だれがお前らなんかに従う!」
「教えてくれれば、俺たちはこの船からすぐに出ていきますよ。船長さんだけは確実に生きてますから、帰れますよ。」
そう。
船長は抵抗はしないし、というかおじいちゃんで、武器も何も持ってなかったから縛ってあるだけなんだ。
「そんな約束、できるか!」
「そうです?では・・・。死にますか?」
恐ろしく鋭い目だった。
王は息をのみ、しぶしぶながらも承諾した。