【マギ】 ジャーファル、あなたのために。~亡国の姫~
第21章 戦争終了まで
ジャーファルside
「あなただけには言われたくない。」
頭を殴られる気分だった。
実際には暴力なんてなにも振るわれていない。
むしろふるったのはこっちだ。
思いっきりかっとなってはたいてしまった。
自分は何をやっているのだろう・・・?
元暗殺者だということを知られていることに困惑した。
話してなどいないのに。
しかも誰かに聞いたわけじゃないって・・・。
どういうことなんだ…?
でもそれだけじゃない。
それが事実であるからこそ殴られた気分だった。
確かに、何人と言う話じゃない、もっと多い命を奪ってきてる。
そんな人に、命の尊さを教えられるって・・・。
変な話かな。
「もういいのか?」
デアルさんが遠くからセリシアさんに呼ぶのが聞こえる。
彼も私に怒っていただろうに、今はむしろこのことに違和感を感じてる。
「うん、いいよ。」
その言葉は、本人が思うよりも鋭い言葉だった。
二人は、船内に入って行った。