【マギ】 ジャーファル、あなたのために。~亡国の姫~
第21章 戦争終了まで
セリシアside
言ってしまった。
口に出した言葉は二度と消えないといのに。
「え・・・。」
困惑するジャーファルさん。
「どういう・・・意味ですか・・・」
「そのまんまの意味・・・。だって・・・ジャーファルさん、むかしは暗殺者だったでしょ?」
息をのむのがわかった。
「どうしてそれを・・・。」
「誰かに聞いたとかじゃないから。間違えないで。」
でも、説明はしなかった。
巫女の力って、めんどくさいとこあるね。
「・・・今はどうであれ、過去は消えない。」
私はうつむいてしまった。
ジャーファルさんが傷ついてるのがわかるから。
見たくなかった。
「何十人、何百人と命を終わらせてきたでしょう・・・?そんな人に。命がどうだ、人殺しがどうだなんて・・・。」
ジャーファルさんの眼を見て、言う。
「言われたくなんかない。」
表情を見ようとはせず、眼だけ見て言った。
すぐにその場を離れる。
「デアル、もういいよ。行こう、最終戦へ。」