【マギ】 ジャーファル、あなたのために。~亡国の姫~
第21章 戦争終了まで
ジャーファルside
「うわっ!」
ピスティの操る鳥に乗って近くまで行った時だった。
「ジャーファルさん、これ以上はちょっと・・!」
「ええ・・・。そのようですね・・!」
セリシアさんとデアルさんのいる船だけ、戦闘状態だった。
無駄な争いは好まないような性格の二人だけに、困惑しか感じられない。
二人して魔法を使っているのか、海が荒れ、空にまで氷の礫やら弓やら飛び回っている。
「ピスティ、わざわざすみませんね。」
「別にいいですよ!」
ピスティとヤムライハは、八人将をそれぞれの船に送る勤めも果たしてくれた。
船を壊さないためにも、そうするしかなかったのだ。
だから、今は自分が最後。
だいぶ遅くなってしまったけど・・・。
「ここからは・・・。飛び下ります。」
「・・・うええ!?」
「できるだけ、高度を落としてもらえますか。」
「わ、わかりました・・・!」
高いけど、自分ならできるだろう。
「これが・・・限界です!」
「わかりました。ありがとうございます。」