【マギ】 ジャーファル、あなたのために。~亡国の姫~
第21章 戦争終了まで
ジャーファルside
セリシアさんが、おかしい。
彼女だけじゃない。
デアルさんもだ。
急に現れたかと思えば、敵を一掃した。
力の強さに驚いたのだが・・・。
「怒っている・・・??」
怒りに震えるように、こぶしを握り締める二人。
こういうところは、似ている。
そして、セリシアさんの言葉。
冷淡な言い方だった。
堕天してしまう・・・。
そう思った。
怒りに、恨みに、ふるえているのだとしたら。
ヒュンッッッ
二人して重力魔法を使い、飛んで行った。
急展開を迎える戦争に、驚くことばかりで・・・。
「ジャーファルさん!」
いつのまにかいたピスティの声にハッとする。
陸にいる敵軍は、残り少ない。
ならば・・・。
「兵士は敵を拘束!これ以上死者はいらない!八人将は、船をとらえろ!この国からだすな!それとピスティ、ちょっと手伝ってくれますか!?」
各自の任務に沿い、それプラスピスティにはセリシアさんが向かった船に連れて行くよう頼んだ。
金属器を発動させればたどり着けなくはないだろうが、船に穴をあけるわけにはいかない。
急いで向かった。