【マギ】 ジャーファル、あなたのために。~亡国の姫~
第20章 戦争開始
セリシアside
「ふう・・・。」
ようやく一息つける。
人はいくらか倒した。
今すぐには大勢の人物はこないはず。
殺したくはないけどやっぱ切らないとこっちがやられる。
だから・・・。
「ごめんなさい・・・。」
この場にいる、倒れている人。
死んでしまった人。
味方も全員無事ではないと思う。
だから、敵も味方も。
「ごめんなさい・・・。」
ウィリランデの策略にやられていなければ、キユノ国が倒せていたかもしれない。
そうすれば、この国には危害が及ばなかっただろうに。
それなら、傷つく人なんてもっと少ないはずなのに。
「・・・行ってみようか…。」
第三線からの助っ人がここにはいくらかいる。
だから、多分ここの防衛は何とかなるだろう。
人も減らした。
第三線には敵を流していないはず。
持ち場を離れることになってしまうけれど・・・。
「あの、すみません。私、もう少し前に行ってみます。」
「それは・・・第一線に行くということでしょうか。」
「ええ。ここは皆さんで守ってください。死なないでくださいね。」
近くにいた兵士にそう言ってその場を離れる。
「お気をつけて!」
たくましい声を胸に、進む。