【マギ】 ジャーファル、あなたのために。~亡国の姫~
第20章 戦争開始
セリシアside
「・・・・え?」
持ち場について思ったのはそれだ。
すぐさま、近くの負傷兵に聞く。
「今の状況は、どういうものなんですか!?」
「5分5分です・・・。先ほどから人がいくらか流れ込んできてしまうのです。今はまだほとんどとどめておりますが・・・。この先どうなるか・・・。」
おもったより、悪い状況だった。
決して楽観視していたわけではないのだけれど・・・。
周りに飛び交うのは血、血、血。
痛々しい光景だった。
第三線には、やはりいくらか人が流れている、と言うことか。
その負傷兵は腕をけがしたらしく、二線の後ろの方にいた。
「武器はもてなさそうですね・・・。腕、痛みますか。」
「少し。ですが、まだ戦え「今すぐ第三線に引いてください。できれば、周りの負傷兵と共に。第三線まで行ったら、ある程度の治療をしてください。そこから、人を呼んでこっちの負傷兵を助けてください。いいですか。」」
その辺の権限は先にもらっていた。
始めはこんな私がもらっていいのかと思案したが、そんなこと言ってられる状況ではないし。
「わかりました。」
そう言って他の負傷兵を連れて後ろに下がっていく。
それにしても、すでにここまで人が来るだなんて・・・。
第一線は大丈夫なのか?
八人将は・・・ジャーファルさんは・・・。
いいや、今はそんな考えるときじゃない。
流れてくる人を、後ろに回さないよう片付けないと・・・!