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【マギ】 ジャーファル、あなたのために。~亡国の姫~

第5章 「ボクの頼み」


(今回はsideなしです。)

その試合は始まった。
それも、風のように早い速度で。
セリシアは、攻撃を仕掛ける。
地面を一歩強く踏みしめる。
その瞬間、一歩で何メートルか先にいたシャルルカンのところへ行く。
さっきと同じようにシャルルカンの体を封じ込もうとするセリシア。
だが、シャルルカンもそう簡単にやられない。
その手を弾き飛ばし、一歩だけひく。
固めるのは無理と判断したセリシアは、いったん下がる。
だがすぐにシャルルカンに近づき、剣で切りかかる。
もちろん、まだ余裕のシャルルカン。剣を軽々と避ける。
セリシアも何度も切りかかる。
そのたびにシャルルカンは避ける。
そして、剣を剣で受け流す。
それにおどろいたセリシアは、いったん攻撃をやめて引く。

「なにそれ・・・。すごい!!初めて見るよ!!」

完全に興奮しているセリシア。

「そうか!?だったらもっとやってやらあ!!」

何度もきりかかるが、そのたびに受け流される。
そして、戦法を変える。
剣で切りかかる。
今度は受け流されないように強く、深く、一直線に。
そしてシャルルカンは引く・・・その隙に、セリシアの開いた片手がシャルルカンに飛ぶ。
相手の胸のあたりを、思いっきり叩く。
そのままその上に飛ぶセリシア。
のっかかろうとした・・・が。
相手も片手で逃れる。
そして、いったん距離を置く。

「考えたなあ。だが、それじゃ無理だぜ。今度はこっちの番だ!」

シャルルカンがセリシアに飛ぶ。
剣は同じはずなのに、彼の方が踏み込みが大きいため、簡単には剣で受けられない。
かといって逃げればその瞬間をやられる。
初めのうちは必死に剣で受けて逃げ回る。

「はあっ、はぁっ・・・。」

だんだんと息の上がるセリシア。

「これでラスト!!」

シャルルカンは切りかかる。
・・・が、そこでセリシアはにやっと笑う。
そして、受け流す。
それも、ついさっきシャルルカンが行った剣を剣で受け流すやりかたで。

「!?そいつは・・・。」

シャルルカンが驚く間はわずかな時間。
そして、試合は強制終了される。

「やめ!!!!」

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