【マギ】 ジャーファル、あなたのために。~亡国の姫~
第19章 戦争・・・?
セリシアside
は・・・??
心当たりのありすぎる、知っている国の名だった。
「ウィリランデ・・・??」
声が震えているのがわかる。
驚きからか、動揺しているのか、自分でもわからない。
でもウィリランデって・・・。
キユノに攻め入った国。
その名を忘れることのできない、国。
「どうしました、セリシアさん?」
ジャーファルさんが私の肩をたたきながら声をかける。
それでようやくはっとする。
「あ・・・すいません。」
「何か、心当たりでもあるんですか?」
「・・・あります。」
心当たりがなかったらいいのに。
だったら、もう少し気が楽なのに。
だけど、そんなことは言ってられない。
また、大切な国を失いたくないから・・・。
「ウィリランデは・・・。私の故郷、キユノ国に攻め入った国です。」
みんなが驚くのがわかる。
「だからと言って何か詳しく知ってるわけじゃないですけど・・・。」
知っていることなんて、ないに等しい。
ああ、でも・・・。
「デアルなら、何か知ってるかもしれません。」