【マギ】 ジャーファル、あなたのために。~亡国の姫~
第19章 戦争・・・?
セリシアside
「戦争がいつ起こるかなど、わかりません。しかし、いつ起こっても良いよう準備は始めましょう。」
ジャーファルさんのその掛け声で、その場で早速会議がはじめられた。
「やはり、民を避難させる場所を決めねばならないでしょう。」
「戦争がどれくらい続くのかによって、広さも場所も変わるな。」
みんな、いろいろな意見を出している。
みんなの意見の速度がはやく、的確なものばかりで私は聞くしかない。
それでも、やはり気になるのは・・・。
「攻めてくる国とはどこですか。」
なんとなく場違いな気もしながらしっかりとした声で問う。
みんなも気になっていたらしく、会話をやめてシンドバッドさんの方向を見る。
「・・・前に海賊が来たのを覚えてるか?」
「もちろんです。」
忘れるわけない。
この国で魔法を初めて使った日でもあるし。
「・・・それについて調べたところ、今日の昼間にわかったんだ、いろいろと。」
言葉を待つ。
「その海賊は、国の命令でやったらしい。半ば奴隷のような人々だったそうだ。・・・その国が、今回の戦争の国である。」
そこで一度シンドバッドさんは区切る。
「・・・その国の名は、ウィリランデ、という。」