【マギ】 ジャーファル、あなたのために。~亡国の姫~
第19章 戦争・・・?
セリシアside
その日の夕方、緊急招集が八人将と私にかかった。
八人将はわかるが、なぜ私にもかかったのかは少し不思議だったけど。
そんなのはどうでもいいことに、というかそんな考えはすぐに忘れる。
「ここに集まってもらったのは、ほかでもありません。今日の会談での話です。」
いつになく真剣なジャーファルさんとシンドバッドさんの雰囲気にのまれる。
嫌な予感しかしないわけで。
「・・・。アルマニアが他国に乗っ取られた。」
シンドバッドさんのその告白は、衝撃を与えた。
乗っ取られた。
その意味を冷静に理解しようとした。
「以前から敵対していた国との戦争に負け、乗っ取られたらしい。わざわざ、その国が報告に来てくれたよ。」
戦争に負けて乗っ取られた・・・。
それを、わざわざ報告?
何か裏があるとしか思えない。
そしてそれはやはりそういうわけで。
「その国が言ってきた。・・・国を受け渡せ、と。」
みんなが息をのむ。
それは、つまり・・・。
「もちろん、断った。・・・この意味、分かるな?」
わかる。
わざわざ見せしめのようにアルマニアの国王を連れてきたのだから。
「・・・戦争が、近いうちに始まるだろう。」