【マギ】 ジャーファル、あなたのために。~亡国の姫~
第17章 決心
セリシアside
「おう、もう行っていいぞ。それともまだ何かあるか?」
「いえ。話はこれだけです。ありがとうございました。」
そう言って部屋を出る。
はー、なんだかんだ理解してもらえてよかった。
まあ、結局のところが無理だとしても、理解があるかどうかってのはだいぶ違うもん。
しっかしまあ、泣いちゃったなあ…。
なんか人前で泣く回数、増えてね?
「・・・。」
部屋を出て呆然とした。
いや、別にね。
目の前にだれかがいた、とかだったら、呆然とはしてない。
むしろ逆で、そこにいなかったからだ。
「・・・あれ?」
ひたすらにおかしいよ。
だって、ついさっきまでジャーファルさんの気配があったもん。
そりゃたしかに気配消しててわかりにくかったけど。
絶対いた。
それに、一応今も気配はあるんだ。
ホントにかすかな気配。
もしも人間が気配をすべて完璧に消せたら、絶対にわかんない。
たださ・・・。
その気配が、上からする気がするんだよね、うん。
恐るおそる上を見上げる。
「じゃ、ジャーファル・・・さん??」
見間違ってなどいなかった。
だって、いる・・・。
すると上から降ってくるように飛び下りてきた。
「ばれましたか。」
「いや何でそんなしれってしてるの!?そもそも何で天井にへばりついてたの!?っていうか何でへばりつけるの!?」
なんか、新しいジャーファルさんの一面を見た気分なんだけど・・・。