【マギ】 ジャーファル、あなたのために。~亡国の姫~
第16章 能力を知りました。
セリシアside
「ええ!?」
正直、薄々聞かれるような気はしてた。
だから、できるだけ聞かれないように、と祈ってたのだけど。
やっぱりか・・・。
ジャーファルさんの好みのタイプの人に少しでも近かったら、テンションちょっとだけ上がったんだけどな。
可愛くなんかいないもんね・・・。
「うーんと・・・。」
好みのタイプ=好きな人=ジャーファルさん、なんだけどな・・・。
もちろんそんなことをいえるわけなくて。
ああ、でも、最後のイコールを言わなければいいのかな。
「好きになった人が、好きなタイプ、だよ。」
ちょっと恥ずかしいけど、ちゃんとジャーファルさんの目を見て答える。
あなたのことだよ、と目では訴える。
「好きになった人、ですか・・・。じゃあ、今までにはどんな人を?」
いや、ちょっと待って。
そんなに奥深くまで聞くとは予想しなかったよ!?
っていうか、今までも何も、私、ジャーファルさんが初恋なんですけど。
「ええと・・・。」
どういえばいいのかな、言葉をできるだけ慎重に選ぶ。
「・・・かっこよくて、頭が良くて。でも強い人。」
全部ジャーファルさんのこと。
前海賊が来たときだって、強く戦ってた。
憧れるし、大好きだし・・・。